重文見聞録4 日光田母沢御用邸③

今回は前回前々回に引き続き、栃木県日光市にある日光田母沢御用邸を取り上げてみたいと思います。

 

前々回→日光田母沢御用邸①

前回→日光田母沢御用邸②

 

                         

この田母沢御用邸は106部屋もの部屋数を誇り、そのすべてを記事にすることはできないため、私が感じた3つのポイントに絞って解説してみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

その③ 職人の技術

 

●錺金物(釘隠し)

 

日光田母沢御用邸は江戸、明治、大正時代の建築が合体しているために建築年代によって違った釘隠しが用いられているようです。

 

 

 

また廊下よりは部屋内のほうが質の高いものが用いられています。

 

 

 

皇后さまのご寝室には鳥の形の釘隠しがありました。

 

御学問所、通称「梅の間」といわれるこの部屋にのみ角長押に上のような釘隠しが使われていました。

 

 

●錺金物(引手)

 

襖の引手にも鋤彫りという技巧が凝らせれていました。

 

 

 

上の黒い引手は皇后さまの部屋に使われていたものでここでも部屋によって使い分けられています。

 

 

錺金物といえば床脇の違い棚にもついていますが、紀州徳川家江戸中屋敷から移築された部分の違い棚には下のような金物がついていたようです。

 

 

徳川家の葵の紋の上に後から菊の御紋をつけたのがよくわかります。

 

 

●寄木張りの床

 

日光田母沢御用邸は畳の上にカーペットという仕様が目につきますが、下の写真は表御食堂という部屋の床です。

 

 

欅の柾目寄木張りで90年たった今も全く狂いがない職人の技が生きています。

 

 

御玉突所と呼ばれるビリヤードの部屋にも欅の寄木張りが使われていますが、こちらは柾目と板目の組み合わせでできています。

 

●その他の技術

 

この御用邸は古い建物であるため手入れされていますが復元にあたっても匠の技が生かされています。

 

上の写真は天井を洗う上でムラができないように数回にわたって行った様子がわかるように残されている部分です。

 

上の写真は和紙張り付け壁の構造です。

 

この御用邸の内壁は塗り壁ではなく和紙を張っているところがほとんどですが、多いところでは11重に張りかさねられています。

 

多くの皇室建築で和紙張り付け壁が使われているようですがここ日光田母沢御用邸の中の紀州徳川屋敷に使われていたものから波及したようです。

 

 

上の写真では畳縁の模様がそろうように作られています。

 

 

 

また私はふすま絵については詳しくありませんが、この御用邸にはふすま絵が4枚と杉戸絵が18枚残っていたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

江戸時代の城郭や大名屋敷の障壁画の多くは狩野派の各派内で分業して描かれていたので個々の絵の作者は分からず、代表者の名前しか残っていないことが多いらしいのですが日光田母沢御用邸に残された絵はそれぞれ作者が判明していることが特徴だそうです。

 

3回に分けて自分なりにレポートさせてもらった日光田母沢御用邸、いかがだったでしょうか?

 

建物の内装中心に書かせてはもらったのですが、庭や外装も素敵でした。

 

機会があれば御用邸でのんびり散歩もいいもんですよ。

 

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重文見聞録3 小比賀家住宅