以前、家庭用照明選びの秘密と題しまして、一般の方向けにライティングコーディネートのコツを紹介させていただきました。
今回は傲慢にもプロ向けにインテリアライティングのコツを紹介させていただきたいと思います。
●奥に入ってみたいのは?
私は今年ライティングコーディネータ-の資格を取得しました。
インテリアの資格試験として最も知名度があるのはインテリアコーディネーターだと思いますが、インテリアのデザインをするにあたってはライティングについて知っておかなければ大きなマイナスだと思います。
なぜならインテリアデザインというのは好みやテーマによって十人十色な部分もありますが、ライティングについての反応は本能的にみんな同じだからです。
わかりやすくするために例をあげましょう。
下に同じ間取りの画像を2つ作ってみました。
【A】
【B】
廊下の一番奥にドアがありますが、中に入ってみたいと感じるのはどちらですか?
きっとAだとおもったはずです。
Aの画像はわかりやすくするために手前に照明を配置せずに奥にだけ照明を配置しました。
Bの画像はその逆の形で照明を配置しました。
人間は奥が明るい空間を見ると奥へ入ってみたくなります。
逆に奥が暗い空間を見ると本能的に不安を感じ、入りにくいと感じるのです。
これをサバンナ効果といいます。
これを知らずにお店のインテリアをデザインし、照明を配置するとお客さんの入りにくい店ができてしまいます。
●高級店を作るには?
では別の例を挙げてみましょう。
あなたがあるお店にお酒を飲みに入ったとします。どちらのお店が高級なお店だと思いますか?
【A】
【B】
きっとBのお店のほうが高級店だと感じたのではないでしょうか?(照明以外は全く同じものです)
Aのほうは蛍光灯のシーリングライトで天井から全体を明るく照らしています。
これに対してBのほうの照明器具は蛍光灯よりも色温度の低いフロアライトのみで非日常感を出し、全体の光量も減らしています。
あなたがもしAとBの店で5000円を払ったとしてもAの店だと高すぎると感じ、Bの店だと安いと感じるかもしれません。
ついでに壁のブラケットライトのみで照明器具を配置したものも作ってみました。
壁を強調することで広がりのある空間になっています。
●ライティングを間違えると致命傷
ただ注意してほしいのは、単純にAの店の照明よりもBの店の照明のほうが高級感があっていいという話ではないということです。
ポイントはお店の営業スタイルによって照明を変えないと、商売に結び付かないということです。
一般にお客さんは明るい店と暗い店が並んであれば単純に明るい店に入ります。
ユニクロのようなリーズナブルな商品を高級な雰囲気の店(光量、色温度を抑えた店)で販売しようとすれば販売数が減るので成り立たなくなりますし、ブランド物のブティックにユニクロのような明るい照明を配置すれば値札を見て逃げ出すお客さんの列ができることでしょう。
また有名な話かもしれませんが、野菜売り場の陳列棚には緑が鮮やかに見える波長の強い照明が使われており、肉売り場の陳列棚には肉がより赤く鮮やかに見える波長の強い照明が使われています。
他にもガラス張りの車のショールームが昼間に光の反射で中が全く見えないというようなことにならないように、自然光との関係についても考えておく必要があります。
インテリアデザインというのは好みやテーマによって十人十色な部分もありますが、ライティングについての反応は本能的にみんな同じだ、といった理由がわかってもらえましたか?
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