イギリスの壁紙事情

 
イギリスでは壁紙はどのようにつかわれているのでしょうか?
 
イギリス人の友達に[TECIDO]という輸入壁紙のカタログを見てもらいながら壁紙について聞いてみました。
 
まず基本的に内装材として壁紙は一般的ではありません。そして壁紙はリッチな人が使うものという感覚です。
大抵の住宅の天井や内壁はペンキで仕上げられていることが多いです。壁全面に壁紙を張っていることはあまりなく、強調したい壁一面だけアクセントクロスとして張ることはあるそうです。(英語ではアクセントクロスでなく、feature wall(フィーチャーウォール)というそうです。)
 「feature wall」の画像検索結果
以外だったのは、輸入壁紙は派手だというイメージがあるのですが、ホームセンターには地味でダサい壁紙が売っていて、これが「壁紙は安っぽい」というイメージを与えているそうです。
 
あれ、さっき壁紙はリッチな人が使うものというイメージがあるといったのに今度は安っぽいというイメージだったり、矛盾しているな、と感じたと思いますので、少し説明しておきます。
まずヨーロッパでは印刷技術の進歩とともに16世紀から壁紙が普及していったそうです。19世紀にはウイリアムモリスを代表とするインテリアデザイナーが壁紙をデザインしたりして壁紙やインテリアも建材としてだけではなくアートとしてとらえられるようになりました。
 日本では新築の住宅を建てることがリッチなことというようにとらえられますが、ヨーロッパではこうした100年以上前の建物が今でも普通に生活に使われており、リッチな人は古くて立派な屋敷を買って直して住むのが好きなのです。いわば屋敷自体がアンティークなのです。
 
 
 
 つまり、この古い屋敷にはその時代のように壁紙がぴったりなのです。壁紙=古い屋敷=リッチな人というイメージなんですね。
 たぶん今でもそうして壁紙はデザイナーがデザインするものという位置づけなので壁紙は高いものなのだと思います。
 
一方でホームセンターでは工業製品として量産された壁紙が置かれており、どこでも手に入る流行ってない安い建材というイメージを与えているのだと思います。
 
少し違うかもしれませんが、例えてみるとすれば陶器のようなものでしょうか。名のある陶芸家の作った伝統的な焼き物ならば高いというイメージですがスーパーで売っているような無名の湯呑なら安いけれどあまりほしくはないというような感覚でしょうか。ただし名のある陶芸家の作品でも今の時代そこまで買う人は多くありませんね。
 
ヨーロッパでは一般にはあまり壁紙が使われなくなりましたが日本では逆に壁紙の種類も豊富で10000種類以上もあるのに、あくまで「壁紙は建材」というイメージでとらえられていることは残念な気がしますね。